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山本 春也; 武山 昭憲; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.377 - 379, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.55(Instruments & Instrumentation)硫黄を添加した二酸化チタン(S-TiO)の粉末試料では、可視光領域の光吸収の発現など光学的特性が変化し、光触媒性の向上が見いだされている。そこで本研究では、S-TiO粉末を原料とした薄膜の作製を目指し、パルスレーザー蒸着法を用いて多結晶及び単結晶構造のS-TiO膜の作製を試みた。作製した膜について、X線回折,ラザフォード後方散乱法などを用いて構造評価を行った。その結果、硫黄の添加量を数at.%の濃度で制御し、シリコン基板上にアナターゼ型の多結晶TiO膜,サファイア(0001)単結晶基板上にルチル型のTiO(100)単結晶膜を作製することができた。本研究よりTiO膜中の硫黄濃度を制御する主なパラメータは、ターゲットの組成,成膜中の雰囲気,基板温度であることが明らかになった。
Choi, Y.; 山本 春也; 梅林 励; 吉川 正人
Solid State Ionics, 172(1-4), p.105 - 108, 2004/08
被引用回数:41 パーセンタイル:82.25(Chemistry, Physical)光触媒能を有する二酸化チタン(TiO)結晶は、環境問題を解決する材料として注目されている。アナターゼ構造のTiO結晶はルチル構造のそれに比べて、触媒活性が高いことが知られており、アナターゼ構造のTiO薄膜を作製する技術を開発することが、今後、極めて重要になると考えられる。本研究では、酸素雰囲気で基板温度を調節することによって、炭化チタンをタゲットとするパルスレーザー蒸着法によりアナターゼ構造のTiO薄膜の作製に成功した。薄膜試料の表面状態を原子間力顕微鏡で、その化学結合状態をX線光電子分光法で調べ、それらをTiO粉末試料の結果と比較しながら議論した。
山本 春也; Choi, Y.; 梅林 励; 吉川 正人
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 29(6), p.2701 - 2704, 2004/00
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であるが、薄膜状で利用する場合には、表面の微結晶化による表面積の増大及び結晶性の向上が必要とされている。本研究では、表面積の増大及び結晶性の向上を目的に酸化亜鉛(ZnO)をバッファー層に利用した高配向性二酸化チタン膜の形成条件について調べた。酸化亜鉛及び二酸化チタン膜は、低圧酸素雰囲気下でレーザー蒸着法により石英,シリコン,-AlOなどの基板上に作製し、走査型電子顕微鏡観察,X線回折,ラザフォード後方散乱により構造評価を行った。蒸着中の基板温度が約500Cで、基板上に大きさが数数十ナノメータの(0001)面に結晶配向した酸化亜鉛の微結晶から成る膜が得られ、さらにこの膜上に(001)面及び(100)面に結晶配向したアナターゼ及びルチル型二酸化チタンの微結晶から成る膜を形成することができた。また、有機色素の分解により光触媒性を評価した結果では、基板に直接二酸化チタンを成膜した試料よりも高い光触媒性が得られ、微結晶化による表面積の増大及び高配向性結晶の形成により光触媒性を向上させることができた。
山本 春也; 八巻 徹也; 楢本 洋; 田中 茂
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.268 - 271, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:64.64(Instruments & Instrumentation)光触媒材料である二酸化チタン(TiO)は、遷移金属をドープすることにより光学的特性が変化し、光触媒性の向上も期待される。本研究では、パルスレーザー蒸着法を用いてCr, Nb, Ta, Wをドープしたルチル及びアナターゼ構造の高品質なTiO単結晶膜の作製を試み、成膜条件や蒸着後の熱処理などの条件を明らかにした。作製した膜の構造評価は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法を用いた。その結果、0.2~1.5 at.%の濃度でドープした金属原子が格子位置を占めたルチル及びアナタ-ゼ型のTiO単結晶膜の作製に成功した。また、SrTiO(001), LaAlO(001)基板上に成長させたアナターゼ型TiOの熱的安定性を調べた結果、約1000Cまでアナターゼ構造を保持することがわかった。